お母さんは太陽

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わたしが短大の頃、借りていた本を返しに友達の家へ行き

 

「こんにちはー」と玄関を開けたところ

 

玄関の上がりかまちの所に正座をしている友達のお母さんがいました

 

そしてそのお母さんの頭の上で手をかざしている女性が立っていました

 

わたしが状況をつかめずにいると、リビングから出てきた友達がわたしを手招きして呼ぶので

 

そっとお母さんの横を通り過ぎてリビングへ入り、小声で「どうしたの?」と友達に聞いたところ

 

玄関にいた女性が言うには

 

「いろいろな人の悩みや苦しみを救う活動をしているので、是非あなたを救いたいんです」

 

「あなたは今、身体の不調がありますね?」

 

「胃の調子がおかしくないですか?」

「あれ?腰かな?」

「黒い影が見えます」

 

そう言われた友達のお母さんは、はじめは怪訝そうな顔をしていたのに

 

いつの間にかそんなことに…

なってしまったそうです

 

駅で頭の上に手をかざしている人を見たことがあるので

 

すぐに理解したわたしですが

正直「なんで?」「どうして?」そう思いました

 

 

友達の話しによるとお母さんは原因の分からない不調が続いていて

 

病院に行ってもどこも悪い所がないと言われて悩んでいたそうです

 

面識のないどこの誰かも分からないそんな人の言葉に気持ちを動かされたお母さん

 

きっと、わらをもつかみたいそんな気持ちだったんでしょう

 

友達は不安そうな顔をしていました

 

それはお母さんの更年期障害のはじまりだったようです

 

 

友達の家は商売をしていて、なおかつ家族が多い

 

なかなか不調を言えなかったし、言っても分かってもらえない雰囲気でした

 

あんなに明るかった家はお母さんが作っていました

 

みんながそれを分かっていてもお母さんの具合の悪いのを

受け入れられなかった

受け入れたくなかった家族

 

わたしは悲しい現実を知ってしまいました

 

間違いなく友達のお母さんはその家の太陽でした

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