小学校6年生の頃、実家の隣の空き家に韓国人夫婦が引っ越してきました
年齢も兄夫婦と同年代
ご主人はガッシリとした体格の人で目が鋭い感じ
奥さんは肌が白くてとても美人さん
日本には長く住んでいたようで、片言ながらもペラペラでした
ご主人は日本で商売をしていて、羽振りが良かったらしく
いつも兄に「もうかりまっか」となぜか大阪弁であいさつをしていたのを覚えています
たまに兄と一緒にゴルフに行き、帰ってきてからお酒を飲んでいると
ご主人はとても強く、兄はいつも先にダウンしていました
夕方学校から帰って来る途中、その家の換気扇からは今までかいだことのない
不思議な匂いがしました
わたしがはじめて口にした韓国料理の匂いでした
ビビンバ、キムチ、チヂミ、チゲ鍋、その他にも色々と作って
頻繁にごちそうしてくれました
子どものわたしには辛くて食べられないものもありましたが
ビビンバとチヂミは食べられるようにしてくれたこと
あの時の美味しさは忘れられません
今はどこでも食べられますが、その当時では珍しく
異国の料理、あまりなじみのなかった国の料理はとても刺激的でした
それからまもなくしてその夫婦は山の上に豪邸を建てて引っ越してしまいました
自動で開くガレージには外車が3台、家の中にはらせん階段
キッチンはその当時では珍しいラウンド型
浴室は大理石調のバスタブにサウナ付き
それはそれは夢のような豪邸でした
義姉と二人で「ホー!」「へー!」「すごーい!」そんな言葉しか出なかったけれど
家に帰ってなぜか妙に落ち着き、私たちは現実に戻り納豆ご飯を食べました
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