長女が幼稚園の頃、わたしの声がまったく出なくなってしまったことがありました
ほんとにかすれていて、吐息のようになってしまい声にはなりませんでした
こんな状況が10日ほど続きました
熱が出たわけでもなく、風邪の症状はまったくなく原因が分からず三日ほどたってから検査をしてみたところ、声帯の張りがなくなっていて
ゆるゆるでした
「これじゃ声も出ないよね」と先生に言われ、とにかく無理に声を出さずに安静にしててください、という出来事がありました
もしかしたら精神的なことなのかもしれないから、しばらくはゆっくりとしたほうがいいですね、とも言われたんです
ほんとうに10日間、声も出さずに生活をしました
でも、その10日間はどうしてこんなことになってしまったのかを、考えるきっかけになりました
お母さんの頭の中は、毎日忙しく何かを考え
24時間休む暇がなく、あれもやらなくちゃ、これもやらなくちゃ
そして、空いている時間にまで何かを詰め込み、母として妻としてのこうでなくてはいけないということに、自分で自分をがんじがらめにしていたんです
結果、声も出なくなり、気がついたら体重も30㎏台になっていて「どうりで最近なんだかフラフラする」と感じていたんです
そんな自分の変化にも気がつかないなんて…と、ショックでしたが、同時になぜか頭の片隅にこれで少し休める
と、いう想いが、安堵感があることにも気がつきました
それは自分で自分を追い詰めていたことに、うっすらと気がついていたからだったんです
気がつかないふりをしていても身体は正直だったんですね
声が出なくなって、わたしが急かす言葉や小言を言わないから子どもはなんだか生き生きしてるように見えたりして
わたしは誰のために、何のためにがんばってると、想っていたんだろう
子どものためだったはずなのに、と考えてみたときに、自分が完璧でいたいという想いの方が強かったと気がついたんです
こたつに入ってみかんを食べてお茶を飲んでゴロゴロして、ちょっとうたた寝をするゆるゆるとした感じ、身体も心も解放される幸せ
こんな幸せが、遠い昔に確かにあったことを、こたつに入っていて思い出しました
そして、こんなゆるゆるとした生活は久しぶりで、その時幸せをものすごく感じて、こんな風にゆるゆるで良かったのかもしれない
いや、良いんだよねと
これがわたしらしくて、きっとそんなわたしを見た子どもも、同じ幸せな気持ちなのかもしれないと感じました
わたしの声帯がゆるゆるになったのは、「もっと身体も心もゆるゆるになった方がいいよ」、というお知らせだったのかもしれないと
今なら分かるんですよね
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